米Western Digital社は,米Read-Rite社の資産を買収する意向を米国時間7月24日に明らかにした。Read-Rite社は,ハード・ディスク装置(HDD)用ヘッド専業メーカー。6月に破産法の適用を申請していた。

 同社によれば,Read-Rite社の資産を監督する破産裁判所によって,Western Digital社への資産売却が認められた。資産総額のおよそ9540万ドルは,同社の流動資本の中から現金で支払われる。買収手続きは10日以内に完了が予定されている。

 買収が予定される資産には,カリフォルニア州フリモント,ミルピタス,フィリピンのマニラにあるウェーハ製造施設なども含まれる。タイにおける製造施設も含まれるが,タイの事業はおよそ6200万ドルの負債を抱えている。

 同社は,買収により長期的には記録ヘッド技術へのアクセスを改良して経営の柔軟性を増強することを狙っている。短期的には,近い将来において80Gバイト技術を含めた記録ヘッドの供給の確保を目的としている。

 Read-Rite社は,コンピュータ・ディスク・ドライブ内のデータ読み取りに使われるGMR(巨大磁気抵抗効果:giant magneto-resistive)ヘッドやその他のコンポーネントを製造する。先ごろ,最新の80Gバイトのプラッタ・ドライブ向けヘッドの販売を開始したばかりだったが,財政面の問題を解消できず6月に破産申告をしていた。

 Western Digital社は,高性能ハード・ドライブ「Raptor」などを小売販売店を通じて直接消費者にディスク・ドライブを提供する努力を行なってきた。また,ノートPC市場への参入も検討している。

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