米Hewlett-Packard(HP)は,音声技術を手がけるスウェーデンのPipeBeach ABを買収した。HP社が米国時間7月23日に発表したもの。同社は,通信企業向けミドルウエア「OpenCall」スイートにPipeBeach社のVoiceXML対応製品を統合する計画という。買収金額など詳しい取引条件については明らかにしていない。

 PipeBeach社は,VoiceXMLベースの製品や対話型音声ソリューションを提供する企業。同社の製品/ソリューションを使うと,携帯電話機から音声によるWebコンテンツ/電子メールの確認や,オンライン・バンキング利用が可能となる。

 たとえば「HP OpenCall speechWeb」は,VoiceXMLアプリケーションを動作させる標準的なWebサーバーと電話ネットワークとを連携させ,音声認識/音声合成機能を介したVoiceXML対応Webページへのアクセスを実現する。

 また「HP OpenCall speechWeb Portal Framework」を利用すると,ポータル環境で音声対応サービスを迅速に開発可能という。ユーザーは電話をかけるだけで,ニュースやスポーツ情報,天気予報などの音声情報サービスを利用できる。各サービスは,電子メール読み上げや,あらかじめ選択しておいた株式の情報提供など,ユーザーの好みに合わせて設定を変えられる。

 PipeBeach社買収による効果について,HP社OpenCall事業部門担当副社長兼ジェネラル・マネージャのJean-Rene Bouvier氏は,以下のように述べる。「PipeBeach社の高度な技術とVoiceXMLに関する実績を,当社のOpenCall製品群および電気通信/IT業界における経験と連携させることで,当社は世界的な対話型音声ソリューション企業になることができる」

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