米NVIDIA社は,グラフィックスLSI(GPU:Graphics Processing Unit)の「NVIDIA Quadro FX 3000」シリーズを米国時間7月22日に発表した。「NVIDIA Quadro FX 3000」と「同3000G」は,医療,衛星イメージング,自動車製造業,石油,ガス炭鉱,ビデオのポストプロダクション,放送といった市場の発展を促進するもの。両製品は,業界標準のデスクトップ・ワークステーションで動作して,ハイエンドの機能とパフォーマンスを提供する。

 Quadro FX 3000は,IBM社のワークステーション「IntelliStation MPro」とHP社の「Leadership Graphics Program」に搭載される予定。ゲンロックとフレームロック機能を持つ同FX 3000Gは,HP社のワークステーション「xw6000」,「xw8000」,その他のスケーラブルなビジュアライゼーション・ツールへの搭載が予定されている。また,特別注文扱いでIBM社からも提供される。

 Quadro FX 3000の新しい機能は次の通り。

・高性能グラフィックス・メモリー
 下位モデル「FX 2000」の2倍以上に該当する27.2 Gビット/秒のメモリー帯域幅を提供。大規模なテクスチャ・パフォーマンス,高解像度,フルスクリーンのアンチエイリアス処理を促進。

・単一システム・パワーウォール
 ユーザーは,安価なプロジェクタを使用した場合でも2つの投射イメージのオーバラップとブレンドをデジタルで指定できる。そのため,単一のシステムからアプリケーションを面積の大きな表面にも投射できる。

・高解像度
 256Mバイトのグラフィック・メモリーは,医療,石油とガス,衛星イメージを含むアプリケーション向けの3840x2400ディスプレイをサポートする。

 同3000Gは,FX 3000の機能に加え,ユーザーは,複数システムを単一のクラスタとして扱い,実物大のビジュアル加に向け処理能力の増強を可能にするフレームロック機能と標準信号形式との同期,ハウスシンク機能を提供する。

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