米Microsoftは米国時間7月17日,2003年会計年度第4四半期(2003年4~6月期)の決算を発表した。売上高は80億7000万ドルで,前年同期の72億5000万ドルと比べて11%増加。税引き後費用を含めた純利益は19億2000万ドル(希薄化後の1株当たり利益は18セント)で,前年同期の15億3000万ドル(同14セント)から増加した。

 営業利益は21億9000万ドルで,前年同期の28億7000万ドルから減少した。なお当期は,米AOL Time Warnerとの和解などに関する費用7億9600万ドルを計上した。

 ちなみにMicrosoft社は2003会計年度第3四半期(2003年1月~3月期)の決算報告の際に,2003年4月~6月期の売上高を78億~79億ドル,希薄化後の1株当たり利益を23~34セントと予測していた。今回,売上高は目標に達したが,希薄化後の1株当たり利益は予想を大きく下回った。

 「2003会計年度は,各事業で2ケタ成長を達成した。第4四半期の売上高は予測を上まわり,当社製品への消費者の需要が高いことを示している。新しい会計年度に入り,当社は引き続き顧客満足度の向上,中小企業の支援,新興市場での事業強化に注力するつもりだ」(Microsoft社CFOのJohn Connors氏)

 事業別でみると,Server Platforms事業の売上高は前年同期比17%成長した。特に「Windows Server」と「SQL Server」が好調で,それぞれ収入が同24%増加,同34%増加した。

 MSN事業は売上高が前年同期比25%増加し,過去最高を記録した。広告収入が同48%増加したことが要因とみる。「過去1年間,MSNネットワークでパフォーマンス・ベースの広告とブランド広告で大きな進歩を遂げた」(Microsoft社MSN事業コーポレート・バイス・プレジデントのYusuf Mehdi氏)

 Home and Entertainment事業の売上高は前年同期比8%増加した。ビデオ・ゲーム機「Xbox」の販売が予測を上まわったためである。ちなみにXboxの販売台数は,2001年の発売開始以来,世界で940万台を超えており,2004会計年度末に1450万~1600万台に達する見込みだ。オンライン・ゲーム・サービス「Xbox Live」は世界で50万人以上が登録し,1週間当たりのゲーム・セッション数は100万回を超えるという。

 またMicrosoft社は,2003会計年度通期(2002年7~2003年6月)の業績についても明らかにした。売上高は321億9000万ドルで,前年度の283億7000万ドルから13%増収。税引き後費用を含めた純利益は99億9000万ドル(希薄化後の1株当たり利益は92セント)で,前年度の78億3000万ドル(同70セント)から増加した。営業利益は132億2000万ドルで,前年度は119億1000万ドルだった。

 なおMicrosoft社は7月8日に,報酬制度の変更を発表している(Microsoft社のプレス・リリース)。2004会計年度第1四半期(2003年7~9月期)より,ストック・オプションを廃止し,株式そのものを交付する。

 今後の主な業績見通しは以下の通り。

・2003年7~9月期の売上高は79億~81億ドルの範囲,税引き後費用を含めた希薄化後の1株当たり利益は約23セント。営業利益は30億~31億ドルの範囲で,株式報酬の費用は約9億8000万ドル

・2004会計年度通期(2003年7~2004年6月)の売上高は342億~349億ドルの範囲,税引き後費用を含めた希薄化後の1株当たり利益は85~87セント。営業利益は113億~116億ドルの範囲で,株式報酬の費用は約39億ドル

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