無線LAN関連の業界団体WLAN Smart Card Consortiumは米国時間7月15日に,無線LAN使用時のユーザー認証にSubscriber Identification Module(SIM)技術を適用するためのスマート・カード仕様「WLAN-SIM V0.1」を発表した。同団体では,「GSM方式の携帯電話システムで使われている技術をベースとするので,モバイル事業者は既存のローミング/課金/バック・オフィス・インフラを利用できる」とする。

 SIMは,GSM携帯電話機で利用されるユーザー認証技術。SIM対応カードにユーザー情報を格納しておき,携帯電話機に同カードを差し込んで使う。WLAN-SIM V0.1は同技術を無線LANの認証に利用するための仕様。スマート・カードと機器間のインタフェースを定めている。認証方式としては,業界標準のIEEE802.1x仕様と,同仕様で規定されているVPN用認証プロトコルExtensible Authentication Protocol(EAP)に対応する。

 WLAN Smart Card Consortiumでは,「スマート・カードを使う強力な認証機能により,無線LANで企業が求めるレベルの安全性を確保できる」とし,「企業ユーザーでも公衆無線LANアクセス・サービスを安心して利用できる」という。

 同仕様の目的について,同団体は「スマート・カード供給会社間の相互接続性を確保すること」と説明する。「同仕様は,無線LANアクセス・サービス業者のあいだでローミングを行う際に欠かせない技術になる」(同団体)

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