米Macromediaは,Webパブリッシング・ツールの新版「Macromedia Contribute 2」を米国時間7月16日に発表した。Windows版に加え,Mac OS X版も用意する。

 Macromedia Contribute 2を使うと,Webコンテンツ更新作業の負荷を軽減する上,既存のサイトを管理する場合には全体的なルック・アンド・フィールを維持できるという。ユーザーは簡単な3段階の工程でWebコンテンツを更新できる。目的のWebページをブラウズし,ページを編集して,公開するだけでよい。操作性は一般的なビジネス・プロダクティビティ・アプリケーションとほぼ同じで,Microsoft Wordや同Excelで作成したコンテンツも利用できるという。

 Macromedia社によると,現在1万5000社以上の企業が7万シート以上の「Macromedia Contribute」を使用しているという。「Contributeは,教育/政府/小企業といった市場にも普及している」(同社)

 Macromedia Contributeで得られる効果について,同社はAlameda County Department of Children and Family ServicesのIT担当ディレクタであるJim Damien氏のコメントを引用して説明する。

 「以前は分厚いバインダに印刷物を綴じてガイドブックとしていた。ところが内容が更新されるので,毎日のように変更部分をコピーしてスタッフに配布する必要があった。Contributeを導入してガイドブックをオンライン化したところ,面倒な作業がなくなっただけでなく,1文書当たり77ドルかかっていた更新経費を11ドルに下げられた。その結果,年間10万ドル近く節約できる見込みだ」(同氏)

 Macromedia Contribute 2は新たに,高速サイト接続,Secure File Transfer Protocol(SFTP)などの機能を備える。またWindows版のみの機能として,文書をWebページの一部として低速回線でも表示可能な「Macromedia FlashPaper」技術を提供する。

 さらにMacromedia Contribute 2では,米PayPalのオンライン決済ソリューションをユーザーのWebサイトに組み込む機能も用意する。「ドラッグ&ドロップするだけでPayPal社の決済ソリューションを導入でき,Webサイトでeコマース機能の提供が可能となる」(Macromedia社)

 Macromedia Contribute 2は2003年8月に発売する予定。価格は1ライセンス99ドル。通常のアップグレード価格は49ドルだが,9月30日までに同社を通じてWindows版をアップグレードする場合は9.99ドルとする。教育機関は1ライセンス79ドルで購入可能。5ライセンス版と10ライセンス版は,それぞれ399ドルと749ドル。教育機関,企業,政府機関向けのボリューム・ライセンスも用意する。

 なお同社は現在,Macromedia Contribute 2の製品アクティベーションを試験的に運用しており,1ライセンスで同製品を2台のパソコンにインストール可能とする。

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[発表資料(Macromedia Contribute 2)]
[発表資料(PayPal社の決済ソリューション導入機能)]