米IDCは7月15日,世界各国のIT導入と利用状況を評価した情報化社会指標「Information Society Index(ISI)」を発表した。それによると,世界で最も情報化が進んでいる国はスウェーデンだという。次いで,デンマーク,オランダ,ノルウェー,フィンランドと,スカンジナビア諸国が名を連ねている。
ISIは,コンピュータ,インターネット,電気通信,社会の4分野・15項目について調査し,各国の情報へのアクセスとIT利用状況に基づいて情報化の度合いをランク付けしたもの。世界53カ国を対象に調査を実施した。
各分野の主な調査項目は次の通り。
・コンピュータ:
パソコンを所有する世帯数,GDPでIT支出が占める割合,IT支出合計でソフトウエア支出が占める割合,GDPでITサービス支出が占める割合
・インターネット:
インターネット・ユーザー数,家庭インターネット・ユーザーの割合,モバイル・インターネット・ユーザー数,電子商取引による売上高
・電気通信:
広帯域接続と無線サービスの普及状況,モバイル・ハンドセットの出荷台数
・社会:
IT教育,情報化の自由,政府の信頼性
IDC,Worldwide IT Markets and Strategies部門担当リサーチ・ディレクタのStephen Minton氏は,「情報化社会を実現するうえで,国民が享受している情報化の自由や教育は,コンピュータや携帯電話の普及と同じくらい重要である。政府が自由な情報交換を規制しようとする国では,技術革新が進みにくいからだ」と説明した。
スウェーデンが首位に立つのは今年で4年目。4分野すべてにおいて,高得点を獲得した。2002年のデータによると,同国のモバイル・インターネットの普及率は80%に達した。インターネット・ユーザーの4分の1が,モバイル・デバイスを使ってインターネットにアクセスしたことがある。
スウェーデンのGDPでIT支出が占める割合は4%,IT支出合計でソフトウエア支出が占める割合は20%だった。また,社会分野の調査項目でも高得点をあげており,とりわけIT教育が進んでいることが分かった。
米国は2002年の4位から8位に転落した。しかし米国は,家庭におけるパソコンの普及率とIT支出など,コンピュータ分野においてスウェーデンより高い得点を獲得している。
なお,ISIの下位国としては,ベトナム,インドネシア,インド,中国,トルコなどがある。
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