米PeopleSoftによる米J.D. Edwards買収案が,Hart-Scott-Rodino Antitrust Improvements Act(Hart-Scott-Rodino独占禁止法)に基づく承認を受けた。PeopleSoft社とJ.D. Edwards社が米国時間7月14日に明らかにしたもの。同法の定める待機期間より早く審理を通過したという。

 PeopleSoft社社長兼CEOのCraig Conway氏は,「米司法省が待機期間の早期完了を決めたことは,たいへん良い知らせだ。これは非常に重要な出来事であり,J.D Edwards社買収成立への道が開けた」と述べた。

 「両社合併後は,中~大企業の顧客に,幅広い総合的な企業向けソフトウエア・アプリケーションを提供していく」(J.D. Edwards社会長,社長兼CEOのBob Dutkowsky氏)

 なお,PeopleSoft社は6月19日に,米J.D. Edwardsのすべての発行済み普通株式を対象とした買付を開始した。J.D. Edwards社の株主は所有する普通株に対して,現金,株式,現金と株式のいずれの方式で受け取るか選ぶことができる。現金と株式を選んだ場合,J.D. Edwards社の株式1株につき現金7ドル5セントとPeopleSoft社の株式0.42株を受け取る。買付の期限はニューヨーク時間7月17日24時。PeopleSoft社は,期限終了時点で買収手続きが完了すると見込んでいる。

 また,PeopleSoft社のJ.D. Edwards社買収案が承認を得たことを受けて,米Oracleは,現在行っているPeopleSoft社株式の公開買付期限を再度延長することを同日発表した。

 Oracle社は,PeopleSoft社の株式を1株につき16ドル(総額は約51億ドル)の現金で買い取る公開買付を6月9日に開始し,6月18日に1株当たりの買付金額を19ドル50セントに引き上げた。7月3日には,当初ニューヨーク時間7月7日24時としていた期限を同7月18日24時に延長。それを今回,同8月15日24時に再延期する。

 ちなみに7月3日の時点でOracle社が買い付けたPeopleSoft社の株式数は3475万3434株,7月11日の時点では4377万3940株である。

 「PeopleSoft社がJ.D. Edwards社と合併してもしなくても,PeopleSoft社を買収する意思に変わりはない」(Oracle社広報担当のJim Finn氏)

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]