米Gartner傘下の人材派遣会社people3が米国時間7月9日,IT社員の雇用と給与状況に関する調査結果を発表した。それによると,米国企業の39.1%がIT社員の業務能力を高めるために,事業部門の成果に基いた短期間の奨励金やボーナス・プログラムを利用している。この割合は,2002年の30.9%から8.2ポイント上昇した。

 調査は,2003年3月に,米国企業151社のIT社員4万3990人を対象に行なったもの。

 people3社経営担当副社長のDiane M. Berry氏は,「コスト削減がますます進む中,IT社員の報酬査定は企業にとって今まで以上に重要となってきた。IT管理職は,社員の金銭的な報酬が各事業部門の目標達成に直接結びつくようにしなければならない」と説明する。「短期間の報酬プログラムは,短期的成果を促すだけでなく,職務に満足感や報酬を求めるIT社員の動機付けにもなる」(Berry氏)。

 その他,主な調査結果は以下の通り。

 ・平均基本給与額は2002年から2003年にかけて2.9%上昇している。また,IT社員の基本給与は平均4.2%増加した。

 ・IT企業にとって最も人材確保が困難な技術は米Oracle製品の管理(Oracle Administration)で,第2位は米PeopleSoftとUNIX製品の管理だった。これは一般的に,ERP関連技術の需要が増えていることを示している。

 ・最も人材確保が困難な職種は,上からデータベース管理者,インターネット/WWW設計者,ネットワーク設計者,ネットワーク技術者,セキュリティ・アナリストである。

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