米Lindows.comは,ハード・ディスク装置にインストールせずCD-ROMドライブから直接起動できるLinux「LindowsCD」を米国時間7月10日に発表した。LindowsCDは「LindowsOS 4.0」の特別版と位置づける製品。CD-ROMドライブに挿入してパソコンを再起動するだけでLindowsOS 4.0を動かすことができる。LindowsCDは直ちに利用可能とする。

 LindowsCDでは,ハードウエア検出機能,プラグ・アンド・プレイ対応などLindowsOS 4.0が備える多くの機能をそのまま提供する。MP3,RealAudio,RealVideo,Flashといったマルチメディア・データも扱える。

 ファイルを圧縮し,1枚のCD-ROMにLindowsOS本体のほか,Microsoft互換オフィス・スイートを含む一連のソフトウエアを格納している。同オフィス・スイートを使用すると,追加ソフトウエアを使わずにMicrosoft Word,Microsoft PowerPoint,Microsoft Excelのファイルを扱うことができる。

 Lindows.com社CEOのMichael Robertson氏は,「多くの人がLinuxに興味を持っているが,予備のパソコンを持っていないユーザーもいる」と述べる。「LindowsCDを使うと,CD-ROMを入れて再起動すればLinuxを動かせる。Linuxを使い終わったら,CD-ROMを取り出してパソコンを再起動するとパソコンは元の状態に戻る。LindowsCDなら,まったく危険を冒すことなくLinuxを体験できる」(同氏)

 同社では,「LindowsCDはハード・ディスクの内容を変更せず動作できるので,Microsoft Windowsのインストールされているパソコン上でLinuxを試したいと考えるユーザーにとって最適な方法」としている。

 同社はLindowsCDを同社のWebサイトで,29.95ドルで販売する。またWebサイトで販売するLindowsOS 4.0に,期間限定で無料添付する。

◎関連記事
米Lindows.com,「LindowsOS 4.0」をリリース,スパム,ウイルス,ポルノ,広告遮断機能を搭載
米リンドウズ・コムがLindowsOS搭載の小型ノートPCを発表。価格は799ドル
米Lindows.com,米SCOの知的財産権を侵害に関する一連の提訴に無関係であることを主張
米マイクロソフトの米Lindows.comに対するWindows商標権侵害訴訟,陪審裁判が12月1日に延期
「Linuxを利用する企業は59%,理由は『安定性』『性能』『セキュリティ』など」,米調査より
「デスクトップLinuxのイベントでスポンサー数が倍増した」と主催者団体が発表
独禁法裁判を切り抜けた米マイクロソフトに忍び寄るLinux勢力
デスクトップOSは今後もWindowsが優勢,しかしユーザーの不満がLinuxやMac OS Xにチャンスを与える

[発表資料へ]