米Intelが米国時間7月9日に,無線通信規格IEEE802.16a対応のLSIをイスラエルのAlvarionと共同開発する計画を発表した。両社は,「Intel社製の802.16a対応LSIをベースに,低価格のWiMAX-Certified(WiMAX認定)装置を提供する」としている。

 IEEE802.16aは都市圏など広域通信用の無線ブロードバンド規格で,2003年1月に標準規格として承認を受けた。バックボーン回線と家庭/事務所などを接続する“ラスト・マイル”向け通信手段として,ケーブル・テレビやDSLなどを代替できる。同規格に対応する機器は,30マイル(約48Km)離れた地点間で最大70Mbpsの通信が可能という。

 同規格に対応する機器の互換性と相互接続性の促進を目的とする非営利団体,World Interoperability for Microwave Access(WiMAX)Forumには,同規格の承認後に25社以上の通信装置企業が加入した。

 WiMAXがブロードバンド無線接続市場に及ぼす影響について,Alvarion社CEOのZvi Slonimsky氏は,「Wi-Fiが無線LAN市場に対して大きな影響を与えたように,WiMAXは同市場の成長に対し“触媒”の役目を果たすだろう」と述べる。

 また802.16a規格の持つ意味については,以下のようにコメントする。「標準規格が存在しないと装置メーカーは,基盤となるLSI,顧客宅内装置(CPE),基地局,ネットワーカ管理ソフトウエアなど,すべてを自社開発しなければならない。標準があることで,メーカーは得意とする市場で革新的な技術を取り入れ,価格性能比を大きく改善できる」(同氏)

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