米EMCは米国時間7月8日に,ストレージ管理ソフト・ベンダーの米Legato Systemsを買収することで,両社が最終合意に達したと発表した。買収は株式交換で行う。交換比率はLegato社の株式1株に対して,EMC社の普通株式0.9株。7月7日のEMC社の終値換算で13億ドル相当の買収となる。

 Legato社は,異種プラットフォームにおける情報保護とリカバリ,HSM(Hierarchical Storage Management),可用性の自動化,電子メールとコンテンツ管理などを手掛けている。EMC社は今回の買収によって,「ユーザーがすべての情報を,簡単にアクセス,保護,管理できるように,当社のストレージ管理ソフトを拡充する」としている。

 買収作業はLegato社株主と規制当局の承認を経て,2003年第4四半期に完了する見通しである。買収後はEMC社のソフトウエア部門として傘下に置き,これをLegato社の現会長兼CEOのDavid B. Wright氏が統括する。EMC社は,Legato社のすべての製品に関して,販売とサポートを継続する計画である。

 米メディア(TechWeb)によると,Legato社はバックアップ/リカバリ・ソフト分野では市場シェア3位のベンダー。また,EMC社は2000年以来,ソフトウエアの小規模ベンダーを9社買収しているという。

 EMC社社長兼CEOのJoe Tucci氏は,「両社の技術,幹部,社員が合体することで,最も包括的でオープンな情報ストレージ・ソリューションの提供が可能となる。両社はもちろん,顧客,従業員,株主に恩恵をもたらす買収になる」と述べている。

 またEMC社は同日,2003年第2四半期の決算速報を発表した。売上高は,事前予測の14億2500万ドル~14億7500万ドルの範囲内で,その上限に近い値となる見通し。また希薄化後の1株当たり利益は,事前予測通りの3セントか,それをわずかに上回る4セントと見込む。同社は,正式な決算報告を7月16日に発表する予定。

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