米OracleがPeopleSoft社を相手取りデラウエア州で起こした訴訟の審理が延期となった。Oracle社が米国時間7月1日に明らかにしたもの。審理はデラウエア州の衡平法裁判所で7月16日に行われる予定だった。

 ちなみにOracle社は6月30日に,米司法省から,PeopleSoft社買収提案に関する情報提供のセカンド・リクエスト(追加請求)を受けている。

 Oracle社は,PeopleSoft社の株式を1株につき16ドル(総額は約51億ドル)の現金で買い取る計画を6月6日に発表(Oracle社のプレス・リリース),公開買付を6月9日に開始した。6月18日に,1株当たりの買付金額を19ドル50セントに変更し,PeopleSoft社とその役員会,ならびに米J.D. Edwardsを提訴したことをあわせて発表した。Oracle社はPeopleSoft社に対し,J.D. Edwards社との合併計画の白紙撤回と,「ポイズン・ピル」(買収を断念させることを目的に,買収総額をつりあげるために低価格で放出する株式)の買い戻しを求めている。

 なお,PeopleSoft社は,変更前と変更後の買収条件とも正式に拒否している。6月13日にはOracle社を提訴したことを発表。またJ.D. Edwards社も,PeopleSoft社にさきがけて,Oracle社を提訴している。

 Oracle社によれば,今回,審理は延期となったが,証拠開示などのプロセスは継続される。原告側と被告側の双方は,今後について討議するために,7月25日に出廷することで合意しているという。

 Oracle社広報担当のJim Finn氏は,「単に日程が延期になっただけだ。Oracle社が司法省から追加請求を受けたことを踏まえれば,驚くことではない。Oracle社は今後も,PeopleSoft社とその役員会が株主に対する信用義務を怠ったという主張を貫き,ポイズン・ピルの解除をPeopleSoft社に求める」と述べた。

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