米AOL Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)は米国時間6月30日,同社の企業向けIMサービス「Enterprise AIM Service」を構成する「AOL Instant Messenger(AIM)5.2」と「AIM Enterprise Gateway」に関して,機能強化を行ったと発表した。米VeriSignと提携して,企業がAIMネットワーク上のテキスト・メッセージやファイルを暗号化できるようにする。また,暗号化したトラフィックの管理機能と履歴作成機能も提供する。

 Enterprise AIM Servicesを利用する企業ユーザーは,暗号化に必要な電子証明書をAOL社から購入する。ワン・クリックで利用可能な電子証明書によって,AIMクライアント間で暗号化したテキスト・メッセージの送受信とチャットが可能になる。また企業は,その通信内容の監視と履歴作成を行える。

 Enterprise AIM Gatewayは,LDAPディレクトリに対するフル・サポート機能を備えており,企業はAIMのスクリーン名と従業員のIDを容易に合致させることができる。また開発者が,AIM Enterprise Gatewayが管理するアプリケーションや,AIM対応アプリケーションを効率的に開発/導入できるように,Java APIをもつSDKに対応させている。

 AOL社Strategic Business Solutions部門担当副社長のBruce Stewart氏は,「IMは,職場でのコミュニケーション・ツールとして急速に普及しているため,企業はその安全性に全幅の信頼をおけることが重要。当社は,AIMクライアントとAIM Enterprise Gatewayに暗号化機能を統合し,企業が安全にやり取りを行えるようにした」と説明する。

 一方のVeriSign社 Internet Services Group担当上級副社長のBen Golub氏は,「AIMネットワーク内における暗号化,署名,認証機能によって,コミュニケーション・ツールとしてのIMの価値を高め,企業による生産性向上を目指した」と述べている。

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