XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)のメンバー企業は2003年7月9日にサンフランシスコのCatalyst Conferenceで,ユーザーのアクセス権とリソース情報を交換/管理するためのXMLベース・フレームワーク「Service Provisioning Markup Language Specification(SPML)v1.0」の公開デモンストレーションを行う。OASISが米国時間6月26日に明らかにしたもの。

 SPMLを使用すると,組織内外のシステムやデータに対するユーザー・アクセス権設定作業(プロビジョニング)を,自動化/集約/管理できるようになる。OASISによると,「SPMLは,World Wide Web Consortium(W3C)のSOAPやOASIS標準であるSAML,OASISが策定中のWS-Securityなど,Webサービスを安全に運用するためのオープンな仕様と連携させて使うことを想定している」という。

 SPMLのデモンストレーションについて,OASIS Provisioning Services Technical Committeeの議長を務める米Waveset TechnologiesのDarran Rolls氏は,「プロビジョニング/身元管理技術を手がけるベンダー間の相互接続性が中心テーマとなる」と説明する。

 また同氏はSPMLについて,以下のように述べる。「インフラでは身元管理への重要度が増し,企業はWebサービスのモデル化や導入を開始している。こうした状況のなかでSPMLは,エンド・ツー・エンドの標準ベース身元管理戦略として必要不可欠な構成要素になるだろう」(同氏)

 Catalyst ConferenceにてSPML対応セキュリティ・ソフトウエア製品の相互接続性デモンストレーションを行う主な企業は次の通り。米BMC Software,米Business Layers,米Entrust,米OpenNetwork,米PeopleSoft,米Sun Microsystems,Waveset Technologies社,米Thor Technologies,米TruLogica。

 なお現在SPMLはパブリック・レビュー中で,レビュー終了後にOASIS標準候補としてOASISに提出する予定である。

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