米IBMは,中小企業向け製品やサービスの拡充を米国時間6月25日,発表した。「機能,使い勝手,価格などの面で中小企業のニーズに特化した,ハードウエア,ソフトウエア,サービス,融資を提供する」(IBM社)

 なお,同社は従業員100~1000人規模の中小企業に向けた製品に「Express」ブランドの名称を付けており,これまでアプリケーション・サーバー「WebSphere Application Server - Express」,ポータル・サイト構築ソフトウエア「WebSphere Portal - Express」,データベース・ソフトウエア「DB2 Express」などをリリースしている。

 今回発表した製品の1つは,電子商取引サイト構築ソフトウエア「WebSphere Commerce - Express」。より手頃な価格で,より速く簡単に,電子商取引サイトを作成し,管理することができる。「わずか1時間程度でオンライン・ストアを立ち上げられる」(IBM社)

 またIBM社は,Express製品の普及を図り,地域のVAR(Value Added Resellers),ISV(独立系ソフトウエア・ベンダー),システム・インテグレータ,コンサルタントなど9万社にのぼるビジネス・パートナが,すべてのExpress製品を扱えるようにする。顧客にExpress製品を推奨し,販売したIBM社ビジネス・パートナは手数料を受け取ることができる。

 IBM社は今年,2億ドル以上をかけて,IBM社とビジネス・パートナが提供する中小企業向けソリューションのキャンペーンを展開する予定である。

 そのほかに発表した主な製品とサービスは以下の通り。

・「WebSphere MQ - Express」:さまざまなアプリケーションを連携させ,効率的にアクセスできるようにする。「わずか5回のクリックでインストールし,10分足らずで立ち上げることができる」(IBM社)

・「eServer Integrated Platform Express for Employee Workplace」:従業員100~250人の企業に向けたポータル・ソリューション。販売,流通,医療,金融などの分野のニーズに合わせて,カスタマイズ可能。「eServer xSeries 255」サーバーと「WebSphere Portal - Express」を組み合わせる。従業員は重要なビジネス・ナレッジやコンテンツ管理ツールへのアクセス,カスタマイズ,管理を一元的に行える。

・「IBM Personal Computing Division - Express Program」:IBM社のパソコン事業部門Personal Computing Division(PCD)を通じて,ノート・パソコン「ThinkPad」,デスクトップ・パソコン「ThinkCentre」,モニター「ThinkVision」を法人向け割引価格で提供する。

・「IBM Global Services - Express Solutions for Medium Business」:導入サービスやインフラ・サポート・サービスなど各種のサービスを提供する。ホスティング・サービスでは,「IBM Managed Services - Services Anywhere-Select」と「IBM Managed Hosting - Infrastructure Solutions with Server Management - Entry」の2種類を用意しており,顧客はサーバーを自社の敷地内に置くか,IBM社のデータ・センターに置くか選ぶことができる。

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