米Oracleは,コラボレーション・ソフトの新製品「Oracle Project Management」「Oracle Project Collaboration」「Oracle Project Intelligence」を,英国ロンドンで開催中のカンファレンス「AppsWorld」にて,現地時間6月24日に発表した。これらの「Oracle Projects」ファミリは,同社のERPスイート「E-Business Suite」のコンポーネントとして,直ちに出荷を開始する。

 「企業はOracle Projectsを利用することで,ビジネス・プロセスを向上し,TCOを削減しながら,情報に基づいた適切な意思決定を行える」(同社)

 Oracle Project Managementは,プロジェクト・マネージャがWWWベースのインタフェースを通じて,スケジュール,進捗状況,人員配置,プロジェクトの問題点や課題などを,効率的に管理できるようにする。また同社の「Project Costing」と「Project Billing」を併用すれば,コスト,売上高,請求書などの情報にもアクセスできるため,財務目標の達成度をリアルタイムで確認できる。

 Oracle Project Collaborationは,プロジェクトに従事する社内外のメンバーによる連携とコミュニケーションを支援する。プロジェクト・マネージャがOracle Project Managementに入力した作業プラン,変更点,進捗レポートなどを閲覧できるほか,作成したさまざまなレポートをメンバーどうしで共有可能。また,すべてのプロジェクト・データを単一のリポジトリに格納することで,プロジェクト関係者全員が同じ情報ソースを利用できるようにした。

 Oracle Project Intelligenceは,プロジェクトのライフサイクルを通じて,全体をより的確に把握できるようにする。売上高,コスト,マージン,発注,在庫,リソース活用率など,プロジェクトで重要な測定基準や分析値を提供する。

 Oracle社Applications Development担当者副社長のJeanne Lowell氏は,「プロジェクト管理はこれまで,個別のシステムを使ってプラニング,文書管理,人員配置,財務管理,レポート作成やコミュニケーションなどを行う必要があったため,決められた期間と予算内で完了させるのが困難だった」と説明する。「Oracle Projectsに新たに三つのソフトが加わったことで,企業は販売から納品まで,プロジェクトのライフサイクルを通じてプロセスを合理化できる」(同氏)

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