米Apple Computerは米国時間6月23日,Macintosh向けWWWブラウザソフト「Safari 1.0」のリリースについて明らかにした。ユーザーはApple社のWWWサイトから無償でダウンロードできる。また同社は,開発者がSafari HTMLレンダリング・エンジンをアプリケーションに直接組み込めるように,ソフトウエア開発キットも用意する。

 Apple社によれば,今年1月7日に公開したベータ版「Safari Beta 2」を,すでに約500万人のユーザーがダウンロードしているという。

 SafariではGoogleの検索サービスを統合するほか、検索結果やWWWサイトのトップ・ページにボタン操作1つで戻れる「SnapBack」機能を提供する。また,ブックマークの保存や整理方法を刷新したほか,ナビゲーション・タブを用いたWWWページ切り替え機能や,ポップアップ広告ウインドウの自動遮断機能を備える。

 「Safariは革新的な機能によって,最良のブラウザ体験を提供し,ブラウザ市場を活性化した」(Apple社CEOのSteve Jobs氏)

 Safari 1.0は,Konquerorオープンソース・プロジェクトのKHTMLを基盤としたレンダリング・エンジンを採用する。Apple社は今後も,KHTMLコードの最適化に向けて,オープンソース・コミュニティと共同作業を継続する計画だ。

 Safari 1.0を使用するには,Mac OS X v10.2 (「Jaguar」)が必要。Apple社ではMac OS X v10.2.3以降を推奨している。現在,英語,日本語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,オランダ語,ブラジルポルトガル語,カナダ系のフランス語,ノルウェー語,デンマーク語,フィンランド語,スウェーデン語,韓国語,簡体字の中国語に対応する。

 Apple社は同日,デジタル・ビデオカメラ「iSight」と,ビデオ会議向けソフト「iChat AV」も発表した。広帯域接続環境のMacintoshユーザーはこれらを利用して,ビデオ会議が行える。

 iChat AVは,今後リリースされるMac OS X v10.3(開発コード名は「Panther」)の主要機能。公開ベータ版を本日より期間限定で,同社WWWサイトで無償提供する。

 iSightは,「ほとんどの携帯電話よりも小型,軽量で,FireWireケーブル1本で接続可能」(同社)という。iSightの利用には,iChat AV公開ベータ版とMac OS X v10.2.5以降が必要となる。本日より,Apple社のオンライン・ストアThe Apple Storeや,認定小売業者を通じて販売する。希望小売価格は149ドル。

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