「世界で最もIT導入が進んだ国はスウェーデンで,高度な情報,コンピュータ,インターネット,社会インフラを備えている」---外国からスウェーデンへの直接投資を促進することを目的とした,スウェーデン外務省の組織Invest in Sweden Agencyが米国時間6月23日に,米IDCの調査結果を引用するかたちで発表した。

 世界55カ国を対象に,技術,経済,社会の発展に向けたITの導入と利用状況について分析したIDCの「Information Society Index(ISI)」調査によると,スウェーデンは最もIT技術を活用している国として,4年連続で首位にたった。

■世界で最もIT導入が進んでいる国:トップ10

順位            2003年                2002年

1.          スウェーデン           スウェーデン
2.          デンマーク             ノルウェイ
3.          オランダ               スイス
4.          ノルウェイ             米国
5.          フィンランド           デンマーク
6.          ニュージーランド       オランダ
7.          スイス                 英国
8.          米国                   フィンランド
9.          オーストリア           オーストラリア
10.         カナダ                 台湾

出典:IDC

 スウェーデンの「ワイヤレス・バレー」と呼ばれる地域には,米Hewlett Packard,米IBM,米Intel,米Microsoft,米Motorola,フィンランドのNokia,ドイツのSiemens,米Sun Microsystemsといった無線技術に関する大手企業が事務所や研究所を構えている。また,「テレマティックス・バレー」と呼ばれる地域には,テレマティックス関連の開発を行っている60社以上が集まっているという。

 Invest in Sweden Agencyは,IDCのほか,米「IDG News Service」誌,英「Economist Intelligence Unit」誌,欧州委員会の関連機関EITO(European Information Technology Observatory)などの調査結果も引用した。主な内容は以下の通り。

・スウェーデンでは,国民の69%がインターネット接続を行っており,15%が広帯域接続を利用している

・スウェーデンでは,国民の80%が携帯電話サービスに加入しており,WWWユーザーの25%がモバイル装置からインターネットにアクセスしている

・スウェーデンは,欧州諸国の中で最もITと通信に投資している。スウェーデンは2002年に国民総生産の9.3%をITと通信に投資した。他の14のEU加盟国とノルウェイ,スイスを合わせた平均値は6.7%だった

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