米Gemstar Developmentが電子番組ガイドの特許を侵害されたとして米EchoStar Communicationsを訴えていた裁判で,アトランタ州連邦地裁は「Gemstar社は米国特許4,908,713(通称“713特許”)を行使できない」とする略式判決を下した。EchoStar社が米国時間6月19日に明らかにしたもの。最終的な判決は,2004年中に出される見込み。

 同特許のタイトルは「VCR Programmer」。1988年6月29日に申請し,1990年3月13日に成立した。30件のクレームから成る。

 この係争の発端は,2000年12月にEchoStar社が連邦/州のアンチトラスト法違反を理由にGemstar社を訴えたことにさかのぼる。これに対抗する形でGemstar社は,特許を2件侵害したとしてEchoStar社を逆提訴していた。「この係争において当社は,“Gemstar社は713特許を所有しておらず,行使できない”という主張をうまく展開できた」(EchoStar社)。裁判所はGemstar社の行使権を否定しただけでなく,特許所有権否定を訂正するために行ったGemstar社の修正動議も退けた。

 なお,最初のアンチトラスト法違反の訴えに対するGemstar社の棄却動議は却下されている。またGemstar社は別の特許侵害6件についても米国際貿易委員(ITC)とノース・カロライナ州西地区連邦地裁に訴えを起こしたが,いずれも2002年に敗訴した。

 一方米Gemstar-TV Guide Internationalは同日,713特許に関する略式判決について以下のようなコメントを出した。

 「裁判所の判決に失望した。当社と当社子会社には,713特許をEchostar社などに行使する権利があると確信している。同特許について,Echostar社に対する(特許の)クレームを回復させるため,適切な手段を講じるつもりだ」(同社)

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[発表資料(Echostar社)]
[発表資料(Gemstar-TV Guide International社)]