米IBMは,新型のメインフレーム・サーバー「eServer z990」とPOWER4+プロセサ搭載のハイエンドUNIXサーバー「eServer p690」の量産品出荷を予定通り開始したと,米国時間6月18日に明らかにした。さらに,必要とする処理能力の増減に応じシステムを停止せず増強/削減できる「On/Off Capacity on Demand」機能を備える。

 eServer z990は,同社が2003年5月に発表した製品。「z990は(旧型機の)z900に比べ仮想化能力を2倍,処理能力を3倍近くに強化した」(同社)とする。1台のz990で,数1000台の仮想Linuxサーバーを運用可能で,処理能力は毎秒1万1000トランザクションという。

 一方のeServer p690は,同社のUNIX OS「AIX」またはLinuxの動作が可能で,32個の動的パーティションに対応する。搭載するPOWER4+プロセサの動作周波数は1.7GHz。「従来機に比べ,容量が2倍の高性能メモリー,帯域幅が3倍近くの新型I/Oサブシステムを持ち,プロセサ・レベルのLPAR対応も2倍になった」(同社)

 同社では,「競合メーカーがサーバー市場シェアを縮小するなか,当社はこの2年でシェアを拡大した」としている。

 「米IDCの調査結果によると,2001年と2002年の2年間に当社は世界サーバー市場の売上高ベース・シェアを6ポイント増やしたが,米Sun Microsystemsと米Hewlett-Packard(HP)はいずれも3ポイント以上減らしてしまった。2003年第1四半期における市場シェアは,当社の2.5ポイント増に対し,HP社は2.6ポイント減,Sun社は1.8ポイント減であった」(同社)

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