米Verizon Communicationsの子会社であるVerizon Airfoneと米United Airlinesは米国時間6月17日,United Airlines社の国内線で,電子メール,インスタント・メッセージング,テキスト・メッセージングの送受信を行える双方向サービス「JetConnect with Email」を開始する計画を明らかにした。利用料金は1フライトにつき15ドル98セント。2Kバイトを超えるデータの場合は,1Kバイトごとに10セントの追加料金が発生する。

 JetConnect with Emailは,United Airlines社が2002年12月より提供している一方向サービス「JetConnect」の拡張版で,年内にサービスを開始する。JetConnectでは,テキスト・メッセージングとインスタント・メッセージングの受信や,ニュース,スポーツ,株価情報などの受信が可能。国内線の767型航空機で提供しており,料金は1フライトにつき5ドル99セント。

 乗客は,ノート・パソコンをVerizon Airfone社の携帯電話とつなぐだけで,JetConnectサービスを利用できる。ソフトウエアのダウンロードや接続に関する設定の変更は一切不要で,通常のダイヤルアップ接続を行えばよい。なお,米Tenzing CommunicationsがJetConnect with Emailサービスの電子メール・プロバイダとして協力する。

 Verizon Airfone社社長のBill Pallone氏は,「仕事で当社を利用する乗客にとって,機内で電子メールが利用できることは非常に重要だ。飛行機を使った移動時の生産性が飛躍的に高まる」と説明した。

 Verizon AirfoneとTenzing社は5月にトライアル・サービスを実施しており,今夏を通じて設備導入を進める。当初は,出張の多い北米ビジネスマンを対象にする。POP3,Microsoft Exchange」(Outlook経由),Lotus Notes(POP経由)が利用可能。その他の電子メール・プロトコルにも,順次対応する予定である。

 United Airlines社は2002年9月に,連邦破産法11条(チャプター11:日本の会社更生法に相当)の適用を申請しており,現在はその保護のもと事業の建て直しを図っている。このため同社は,JetConnect with Emailによってビジネスマンを獲得し,収益基盤の拡大につなげたいと考えている。

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