フィンランドのNokiaは,日本を含むアジアと欧州の一部携帯電話キャリアおよび販売会社に向け,GSM/WCDMAデュアル・モード携帯電話機「Nokia 6650」の出荷を開始した。Nokia社が現地時間6月13日に明らかにしたもの。「Nokia 6650は,GSM/WCDMAデュアル・モード・ネットワーク内で両方式をスムーズに切り替えられる世界初の携帯電話機」(同社)としている。

 同電話機は,キャリアのネットワーク・アーキテクチャに応じ,一般的なGSM対応電話機やWCDMA対応電話機としてのほか,デュアル・モード機としても利用できる。世界中の全GSM900/1800ネットワークでローミングできるほか,日本や欧州のWCDMAネットワークでもローミングに対応するという。

 「既存のGSM900/1800サービスに加える形でWCDMAネットワークを導入しているキャリアの場合,WCDMAにより最高384kbpsの高速データ通信サービスを提供できるようになる。同時に,同じ携帯電話機でGSM900/1800も利用できる」(同社)

 Nokia 6650について,Nokia社携帯電話機担当上級副社長のJuha Putkiranta氏は,「高速データ通信サービスと幅広いローミング・サービスが欠かせない移動の多いビジネス・マンにとって,理想的な携帯電話機」と説明する。「日本のユーザーは欧州とアジアでスムーズにローミングできるようになり,GSMユーザーも日本でローミング・サービスを使えるようになる」(同氏)

 キャリア向け出荷の第1段は,6月にJ-フォンと,オーストリアTelekom Austriaの子会社であるmobilkom austria社に向けて行う。これ以外のキャリアへの出荷については,「WCDMA対応サービスの導入状況は個々のキャリアによって違うので,Nokia 6650が利用可能となる時期も国やキャリアによって大きく異なる」(Nokia社)。

 なお同社は,「2003年後半に世界中で約20社のキャリアが,中核の無線技術としてか,既存のGSMネットワークを拡張する形で,WCDMA方式を導入する」とみている。

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