米Gartnerが米国時間6月12日に,CRMソフトウエアの世界市場に関する調査結果を発表した。2002年におけるCRMソフトウエアの新規ライセンス収入は28億ドルで,前年と比べて24.7%も落ち込んだ。ちなみに2001年の同収入は,前年比6.4%減の37億ドルだった。
Gartner社世界ソフトウエア・アプリケーション調査グループ部門バイス・プレジデントのTom Topolinski氏は,「景気低迷に加え,企業がIT購入の焦点を移していることが,市場に大きな影響を与えた。取り引きが小規模になり,購入サイクルが延びている上,競争が激しさを増しているため,CRMソフトウエア・ベンダーは苦戦を強いられている」と分析した。
2002年のベンダーの首位は,市場シェア24.9%の米Siebel Systemsが維持した。ただし同社のシェアは,前年と比べて3ポイント減少している。上位ベンダーの中で前年よりシェアが拡大したのは,2位のドイツSAPと3位の米PeopleSoftだけだった。
■2002年の世界CRMソフトウエア市場,トップ5ベンダー別新規ライセンス収入の市場シェア(推測値) ---------------------------------------------------------------------- ベンダー 2002年の市場シェア(%) 2001年の市場シェア(%) ---------------------------------------------------------------------- Siebel 24.9 28.5 SAP 15.9 10.9 PeopleSoft 4.3 3.9 Oracle 4.3 5.5 Amdocs(Clarify) 3.2 3.8 ---------------------------------------------------------------------- 出典:GartnerのDataquest社(2003年6月)
世界中のあらゆる地域で,CRMソフトウエアの新規ライセンス収入が減少した。最大市場である北米が前年比27.6%落ち込んだほか,西欧は同22.4%減,アジア太平洋地域は同15.2%減少した。
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