オブジェクト指向技術の標準化を進めるObject Management Group(OMG)は,UML(Unified Modeling Language)の最新版「UML 2.0」の策定を完了した。同団体が米国時間6月12日に発表した。同団体は,先週フランスのパリで開催した技術会議において,Analysis and Design Task Forceによる投票を行なっていた。

 最新版のUML標準の主な特徴は次の通り。

・拡張メカニズムにより,モデラーは自分のメタクラスを追加できるようになった。新しいUML Profilesの定義が容易になるとともに,モデリング応用の領域を拡張できる。

・コンポーネント・ベースの開発をビルトインでサポートするため,Enterprise JavaBeans,CORBA,COM+によるアプリケーションのモデリングが容易になる。

・ランタイム・アーキテクチャのサポートにより,システムの異なる部分におけるオブジェクトのモデリングとデータ・フローが可能になる。実行モデルのサポートが総体的に改良された。

・関係をより正確に表すことで継承,構成,集約,状態マシンのモデリングを改善。

・カプセル化とスケーラビリティのサポートを改良,状態マシンにオブジェクト自体の内容を表す「アクティビティ図」をマッピングする際の制約を排除,オブジェクト間の相互作用を表す「シーケンス図」構造を改良。

・言語の全体的な改良により,構文,意味論を容易にするとともに,全体の構造を整理した。

 OMGは,UMLと「Model Driven Architecture(MDA)」ツールを構築したレポジトリの基盤をアップデートするために,「MetaObject Facility(MOF) 2.0」仕様,「XML Metadata Interchange(XMI)」も推奨している。UML 2.0メタモデルとMOFメタモデルを合わせることにより,XMIを介したモデル交換とツール間の相互運用性の確立が容易になるという。

◎関連記事
世界で通用するUML資格が,今秋に登場
ソフト開発のモデリング技術者育成とモデル共有を狙った非営利団体が発足
モデリング技量を測る認定試験,UMLモデリング推進協議会が開始
「UMLを業務モデリングの共通言語に」,日本IBMなど21社がNPO設立
「UML2.0で大規模開発が容易になる」,“生みの親”ランボー氏が強調

発表資料へ