米Dell Computerと米EMCは,企業向けネットワーク・ストレージに関する数十億ドル規模を延長する。両社が米国時間6月10日に発表した。2001年10月に締結した5年契約は,2008年11月まで2年間延長された。両社によれば,提携以来4100を越える企業が,両社製のストレージ・システムを購入したという。

 現行の提携のもと,Dell社は,EMCのストレージ・サーバーの再販,ローエンドの「CX200」ストレージ・システムの製造を行ない,Dellのコア市場である中小企業市場へのアクセスをEMCに提供する。前年10月に拡張された契約では,EMCが設計したエントリー・レベルのデータ・ストレージをDellが製造することで合意している。また,EMCのソフト「Navisphere」「VisualSan」の開発で協力する。

 両社は,提携により市場への製品投入とともに,共同で達成してきたマイルストーンの一例は次の通り。

・製造提携により,DellはDell EMC CX200システムを製造

・2000名を越えるDell社のサービス要員との共同サービス・トレーニング

・エントリ・レベルからエンタープライズ・レベルのDell EMCネットワーク・ストレージの投入

・業界初のSANシステムを低コストATA,高性能Fibre Channel技術に統合。ストレージ・コストを格段に削減

・ストレージ・システムの管理,災害復旧の機能を持つ包括的ストレージ・ソフトウエアのスイートを提供

 Dell社は,技術予算の削減が進む中で市場シェア獲得に務め,Intelプロセサ搭載のサーバーとネットワーク・スイッチだけでなくPCも販売してきた。同社は,先ごろコンピュータ・プリンタの販売も開始している。

 長年,大規模な企業向けにストレージ・システムの販売を手がけてきたEMC社は,もともとDellのプレゼンスが強い公共部門と中小企業市場で収益を上げるようになってきた。

◎関連記事
米デルと米EMCがストレージ“CLARiiON"を共通ブランドに,数十億ドルの契約
「2003年Q1の世界ストレージ・システム市場,前年同期比減少率が1%にとどまる」,米IDC
2003年世界ストレージ管理ソフト市場の成長率はわずか2.9%,「価格引き下げが要因
「2002年の世界ファイバ・チャネルSAN市場は前年比3%成長の14億7000万ドル規模」,米Gartner

発表資料へ