米J.D. Edwardsと米IBMは,「Global Business Value」と呼ばれる協業チームを結成して中小企業向けソリューションを共同提供すると,米国時間6月11日に発表した。「同チームでは,『J.D. Edwards 5』とIBM社のeビジネス・オンデマンド・ソリューションをベースとする特定業界向けソリューションを提供し,中小企業顧客の経費削減を図る」(両社)とする。

 Global Business Valueチームは,コンサルティングと各種業界向けテンプレートの組み合わせ,ソフトウエア/ハードウエア,ホスティング,ユーティリティのほか,システム導入に必要な前払い金を圧縮する融資サービスなどのオプションを用意する。

 J.D. Edwards社上級副社長兼CMOのLes Wyatt氏は,「中小企業が必要としているのは,特定業務や業界の要求に対応可能なアプリケーションであり,平均レベルの製品では力不足だ」と指摘する。「Global Business Valueチームは,J.D. Edwards 5 ERP/SCM/CRMソフトウエアの強みに,IBM社のBusiness Consulting Servicesおよび同社のオンデマンド・アーキテクチャを組み合わせ,中小企業に然るべきソリューションを適切な価格で提供する」(同氏)

 共同ソリューションの第1段として,両社は「Automotive for SMB」と「J.D. Edwards WorldSoftware Conversion for SMB」をリリースする。それぞれの概要と提供時期は以下の通り。

・Automotive for SMB:中規模の自動車部品サプライヤ向けソリューション。顧客の要求への対応を迅速化し,サプライ・チェーンの効率的な利用を可能とする。IBM社のデータセンタで動作させるJ.D Edwards 5 ERPアプリケーションをベースとし,IBM社のBusiness Consulting Servicesが導入支援を行う。米大陸で2003年第4四半期に利用可能とする

・J.D. Edwards WorldSoftware Conversion for SMB:J.D. Edwards WorldSoftwareを利用している顧客向けソリューション。J.D. Edwards 5 ERPアプリケーションをベースとし,産業分野で利用可能なよう設定済み移行サービスを提供することで,移行に必要な経費を最小限に抑えられるという。IBM社によるホスティング・サービスも合わせて提供する。対応業界や詳細な内容については,数カ月後に明らかにする予定

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