米Microsoft社は,Webサイト作成ツール「Office FrontPage 2003」の詳細を米国時間6月10日に明らかにした。同製品は,動的にデータ中心型のWebサイトを構築するツール。Web上での情報共有プロセスを合理化する。新版は,「Office System」ラインの他のアプリケーションと同じように,アプリケーションとWebサービス間のデータ共有を行なうためのXMLサポートを集中的に強化している。

 リリースは,2003年夏に予定されており,Officeスイートの一部としてではなく,スタンドアロンのアプリケーションとして販売される。

 FrontPage 2003は,完全にWYSIWYGタイプのXSLT(Extensible Stylesheet Language Transformation)エディタ。ユーザーは,ライブ・データを使ってインタラクティブで動的なWebサイトを作成できる。

 WYSIWYGエディタにより,ユーザーは,XMLファイル,Webサービス,OLE DBデータベース・ソースを連結させてXMLデータ駆動型のWebサイトを容易に作成できる。データベースや内部のバックエンド・システムなど複数ソースからデータを引き出し,単一のデータベース・クエリー結果を使ってサイトにポスティングする情報を振り分けする。Visual Basic開発システム,Visual C#,Visual Basic Scripting Edition,ColdFusion,Javaといったサーバー側のスクリプティング・ツールでのプログラムは必要がない。

 その他にも,コードと結果を同時に表示する新しい分割スクリーン・ビュー,タグを作成するためのタグ・エディタ,タグ・セレクタ,エレメントをより正確にページ上に配置するレイアウト・テーブルなど専門的なデザインとコーディング機能を多数搭載している。また,複雑な規則を使って,タグと属性のレベルでもコードを検索できる高度な検索,置き換えツール,スプリクティングの「Behaviors」,Visual Studio開発システムのコーディング・エンジンを採用したコーディング機能「IntelliSense」技術などを提供するとともに,Web logソリューションも収録する。

 FrontPage 2003のベータ2は,Office Systemの一部として提供されている。同社のWebサイトで同ベータ版の配布の受付を実施している。FrontPage 2003の最終版は,2003年夏に出荷が予定されている。価格は後日発表される。

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