米Hewlett-Packard(HP)は,米国時間6月10日にJavaベースのオープン・ソース・フレームワーク「Eclipse」を使用する開発者向けに,新ツール「HP OpenView Internet Usage Manager(IUM)Component Development Environment」を提供すると発表した。HP社では,「新ツールにより,複数の環境でソフトウエア開発する際の複雑さを軽減できる」としている。

 HP社の既存ツール「OpenView IUM」は,ネットワーク/システム/サービスの使用状況データを収集し,計画立案や経費見積もりに必要な分析作業を自動化する。同日発表した開発ツールを使うと,このIUM用コンポーネントの作成/編集/試験/デバッグ/展開を容易に行えるようになるという。

 「Eclipseフレームワークを使っている企業ソフトウエア開発者は,生産性を大きく改善できる。IUMユーザーの場合は,事業環境の変化に対応可能なよう業務支援システムの適応能力を高められる」(同社)

 新ツールはほかのEclipse用開発ツールと同じルック&フィールを備え,EclipseのGUIを利用しているので,複数の環境を学習する必要がなく,作業の複雑さを低減できるという。「同ツールをIUM Plug-In Development Kit(PDK)と組み合わせて使うことで,カスタム拡張機能の迅速な作成も可能となる」(同社)

 HP社は,2003年6月後半よりIUMユーザー向けに同ツールをダウンロード提供する予定。

 なおEclipseは,異なるサプライヤが開発したソフトウエア・ツールを同時に利用できるようにするフレームワーク。Eclipseコミュニティでは多くの大手ソフトウエア・ツール・サプライヤが協力し,Eclipseソフトウエアの開発を進めている。Eclipseコミュニティは複数のベンダーで構成した組織Eclipse.orgが管理する。

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