米SCO Groupは米国時間6月6日に,米NovellからUNIXとUnixWare技術のすべての権利を取得していることを示す修正契約の存在を明らかにした。1995年9月19日の資産買収契約「Asset Purchase Agreement」に関連して1996年10月16日に結んだ修正契約「Amendment No. 2」がそれだという。

 SCO社は,今年に入って,同社が所有するUNIXの知的所有権から積極的にライセンス料を徴収する「SCOsource」戦略を展開している。2003年3月には,「米IBMがLinux事業を推進するためにUNIXソフトウエアのライセンスを不正利用した」として,IBM社を提訴した。また「Linuxの使用に関する法的責任が商用ユーザーにまで及ぶ可能性があると」との警告をLinuxベンダーやユーザー各社に送付した。

 これに対しNovell社は,異議を唱える書簡を送付したことを5月30日に明らかにした。書簡の中でNovell社は,「SCO社はUNIXの著作権と特許を主張しているが,その特許はNovell社が保持している」と反論。「両社は1995年に,SCO社がNovell社からUNIXを買い取ることことで提携を結んでいるが,Novell社の認識によれば,この提携は,関連する権利をSCO社に譲渡するものではない」と述べた。

 今回SCO社が明らかにした修正契約は,このNovell社の主張を否定するものとなる。SCO社によれば,「修正契約書では,SCO社がUNIXとUnixWare事業に関するすべての著作権を有することを認めている」という。「現在当社が係争中の訴訟では,著作権を問題にはしていない。しかし,当社の著作権を問題視する声があがったので,これを証明できて満足している」(SCO社SCOsource知的財産部門上級バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャのChris Sontag氏)

 これに対し,Novell社は「昨夜,Amendment No. 2がSCO社から送られてきたが,Novell社のファイルにはこの修正契約書は存在しない」とする声明を同日発表した。「修正契約書はUNIXの一部の著作権がSCO社に移ったことを裏付けているようだが,特許の所有権については触れていない。所有権が当社にあるのは明らかだ」(Novell社)

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]