米National Semiconductor社は米国時間3月6日に,2003会計年度第4四半期(2002年3月~2003年5月期)と通年の決算を発表した。同期における売上高は4億2530万ドルで,前年同期の4億1950万ドルに比べ5%増となった。

 当期の純損失は440万ドル(1株当たり損失2セント)だった。この純損失には,同年5月21日に発表した人員削減に関する一時的な費用2660万ドルが含まれる。前年同期の純利益は,1710万ドル(1株当たりの利益9セント)だった。なお,一時的な費用を除いた場合,当期の純利益は2220万ドル(1株当たり利益12セント)となる。

 同期における売上高は,前年同期の4億1950万ドルから多少増加した。前年同期の純利益は,税金の還付金1150万ドルを含めて1710万ドル(1株当たりの利益9セント)だった。これを除いた場合には,560万ドル(同3セント)だった。同年第3四半期からは5%増だった。粗利益は,同年前期の42.7%から44.6%に改善された。

 同期における受注は,前期から3%以上増加している。ディスプレイと標準アナログ製品が2ケタ台の成長をみせる中で,電源管理製品の受注がもっとも早く成長している。受注がもっとも増加したのは日本だった。

 同社は,2004年第1四半期の売上高が,前年同期の横ばいまたは4%減になると予測している。粗利益も均衡または多少低下するとみられる。営業経費は,第3四半期と第4四半期に行なった収益改善策に削減される。

 通年で見ると,純損失は3330万ドル(1株当たりの損失18セント)だった。技術ライセンスの評価損による研究/開発経費の1380万ドル,人員削減に関する一時的な費用を除いた場合には,純利益が2410万ドル(1株当たりの利益13セント)だった。粗利益は,前年の37%から43.4%に改善された。

■2003年第4四半期(3月~5月)と通年業績
(希薄化後の1株当たり利益/損失を除く単位:100万ドル)
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                                 03年Q4   02年Q4   03会計年度   02会計年度

売上高                           425.3       419.5     1672.5     1494.8
純利益(純損失)                  (4.4)        17.1       (33.3)     (121.9)
希薄化後の1株当たり利益(損失)  (2セント)  9セント  (0.18セント)  (69セント)

ライセンス評価損や一時的な
費用を除いた純利益(純損失)       22.2        5.6       24.1      (133.4)

ライセンス評価損や
一時的な費用を除いた
希薄化後の1株当たり利益(損失)    0.12       0.03      0.13      (0.75)
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出典:National Semiconductor社

 同社は,同年2月に実行を開始したコスト構造の合理化を発表している。戦略的計画の一環として,収益性の向上とコスト削減を狙って,携帯電話向けベースバンド事業部門の閉鎖,従業員340人の解雇を行なった。また,Information Appliance事業部門の売却を予定している。同プロジェクトにより,四半期につきおよそ3000万ドル,年間およそ1億2000万ドルの経費節減を狙っている。

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