米Microsoftが米国時間6月4日に,プロジェクト管理ソフトウエア製品系列の新版「Microsoft Office Project 2003」を発表した。2003年秋の終わりごろ利用可能とする。

 同製品系列は,同社のオフィス製品「Microsoft Office System」との統合を図る。スタンド・アロンのデスクトップ・アプリケーションとしての利用を想定する「Microsoft Office Project Standard 2003」と,サーバー/クライアント環境で運用する「Microsoft Office Enterprise Project Management(EPM)Solution」という2種類の製品を用意し,EPM Solutionは「Project Professional」「Project Web Access」「Project Server」というソフトウエアで構成する。

 「EPM SolutionをMicrosoft Office Systemファミリと連携させることで,経営者は管理下にあるプロジェクトの進捗状況を把握しやすくなり,従業員は担当しているプロジェクトに関わる文書/問題点/リスクにチームで対応できるようになる」(Microsoft社)

 EPM Solutionの主な特徴は以下の通り。

・Microsoft Outlookとの統合:Outlook Calendar画面にプロジェクトのタスクを表示し,予定表と並べて確認できる。Outlook上で直接,進捗状況の更新とMicrosoft Project Serverへの提出が行える

・プロジェクト共同作業の改善:コラボレーション・ソリューションWindows SharePoint Servicesと統合したことで,プロジェクトに関するリスク/問題情報の確認が容易になる。文書の管理機能も強化する

・リソース管理機能の強化:能力や特定の技能を持った人的リソースを検索する機能を提供する

・拡張性のある開発プラットフォーム:APIを拡張し,業務用アプリケーションと連携させるためのソリューション開発をより容易に行えるようにする

 また,クライアント側で利用するProject Standardおよび同Professionalも,旧版に比べ機能を強化するという。主な強化点は以下の通り。

・文書の作成/印刷機能:文書の作成/印刷をより容易に行えるので,チームのメンバーやプロジェクト管理者などの関係者と,紙の書類を効率よく共有できる

・Office System製品との連携:Microsoft Office Excel,同PowerPoint,同VisioなどのOffice systemアプリケーションを介して,プロジェクトに関する情報を配布できる

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,Project 2003はXML形式データを出力できるという。また価格と発売時期については,後日明らかにする。

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