米IDCが米国時間6月4日に,米国の携帯電話向け着信音ビジネスに関する調査結果を発表した。2003年の着信音市場はまだ小規模だが,いくつかの要因が重なるため急激に成長し,2007年には10億ドル以上の規模に達する。

 現在,米国通信事業者が提供する無線データ・サービスの中でも,着信音サービスは需要が高い。「ミッシー・エリオットの曲や『ベン・ハー』のテーマ,鳥のさえずりなど,わずか15秒の楽曲やサウンドが,無線事業者のコンテンツ・カタログを埋め尽くしている」(IDC)

 IDC,Wireless and Mobile Communicationsプログラム上級リサーチ・アナリストのDana Thorat氏は,「戦略的カギとなる若者層を引きつけるには,単なる着信音からモバイル音楽サービスへ進化することが重要だ。通信事業者は,メーカー,コンテンツ・プロバイダ,エンタテインメント・メディア企業と手を組み,画期的なマーケティングやブランド向上キャンペーンを展開するべきである」と述べた。

 米国の着信音市場はまだ形成途上にあるが,「今後12~18カ月で多数の和音対応携帯電話機や和音着信メロディが利用可能になり,市場の成長に勢いがつく」と,IDCは予測する。「2004年下旬~2005年上旬までに,米国着信音市場では,有料サービスを介して配信される高音質コンテンツに注目が集まるだろう。そして,徐々に短音の着信メロディが姿を消す」(IDC)

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