米Atheros Communicationsは米国時間6月3日,無線LAN装置向けの新たなWi-Fiチップセット「AR5002AP-2X」「同-X」「同-G」「同-A」を発表した。AR5002AP-2Xと同-Xは,802.11a,802.11b,802.11gをサポートする。

 今回発表したチップセットは「WiSoC(wireless-system-on-a-chip)」と呼ぶ設計を採用しており,「部品数を減らすことで,コストと消費電力の削減を可能にする」(Atheros社)。また,無線LAN(802.11a/b/g対応,802.11b/g対応,802.11a対応)で最大90Mbpsのスループットを可能にする「Super G」「Super A/G」技術を組み込んでいる。

 AR5002AP-2Xは,無線ネットワーク・プロセサに,MAC/ベースバンド処理部,スイッチ機能付きEthernetポート,ハードウエア暗号化エンジンをそれぞれ2つとMIPS R4000クラスの220MHz組み込みプロセサからなる。5GHz帯(802.11a)と2.4GHz帯(802.11b/g)用に2つの独立した高周波回路を搭載し,「性能が低下することなく,同時に2つのネットワークに対応する」(Atheros社)。2.4/5GHz帯のデュアルバンド無線LAN用アクセス・ポイントまたはホーム・ゲートウエイ向け。

 AR5002AP-Xは,主に2.4GHz帯を使用し,5GHz帯へのアップグレードを視野に入れている中小企業用。

 AR5002AP-Gは802.11bと802.11gをサポートし,2.4GHz帯のアクセス・ポイントまたはホーム・ゲートウエイでの利用を想定する。AR5002AP-Aは,5GHz帯でのビデオおよびオーディオ・アプリケーションに適している。

 これらのチップセットは,無線LAN向けセキュリティ方式「Wi-Fi Protected Access(WPA)」と802.11iドラフト案のセキュリティ規格に準拠する。すでに量産出荷を開始している。

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