米IBMは米国時間6月3日,SAN環境におけるボリューム管理を一元化するストレージ仮想化製品「TotalStorage SAN Volume Controller」と「SAN Integration Server」を発表した。「ストレージ管理者の生産性を向上し,高度な機能を利用可能にする共通プラットフォームの提供や,サービス品質とデータ保護の強化を支援する」(IBM社)という。

 IBM社Storage Software部門担当ジェネラル・マネージャのBrian Truskowski氏は,「当社は,優れた可用性と拡張性を備えた仮想化システムを実現するために,堅牢なアーキテクチャの開発を行ってきた。新たにリリースする2製品は,オンデマンド環境にふさわしい相互運用が可能なSANソリューションである」と説明する。

 TotalStorage SAN Volume Controllerは,Linux 2.4が動作するIBM社のサーバー「eServer xSeries」にストレージ仮想化ソフト搭載した製品。必要に応じてディスクをストレージ・アレイに追加し,処理能力と容量の拡張を“オンザフライ”で行うため,実行中のアプリケーションを中止する必要がない。最大2ペタバイト(1ペタバイト=1024Tバイト)の容量をプールすることができ,1秒当たり28万I/Oと1780Mバイトの転送速度に対応する。

 SAN Integration Serverは,SAN Volume Controller,Fibre Channelスイッチ,IBM社の「FAStT」ストレージ・ディスクからなる。新たにSAN導入を検討している企業に向けるという。

 両製品の価格は,基本的なシステム構成でSAN Volume Controllerが6万ドル,SAN Integration Serverが14万ドル。いずれも7月25日より出荷を開始する。

 なお当初は,IBM社のストレージ・サーバーのみの対応となるが,他社製品も年内にサポートする予定。

◎関連記事
日本IBMがストレージ構築をメニュー化,提案からサポートまでを一括提供
「バーチャリゼーションは3年後にすべてのSANで使われる」
「ストレージの“バーチャリゼーション”は広がっている」と米国ベンダー幹部
「“仮想化”という言葉には頼らない」,米EMCが管理ソフト製品を強化
大手ベンダー注目のストレージ管理ソフトがバージョンアップ
多様なストレージを一括管理---国内大手メーカーが相次ぎ新製品を出荷
「ストレージ管理ソフトはハードと統合してこそメリットがある」
2002年のストレージ管理ソフト市場は初のマイナス成長,前年比6%減で47億ドル規模

[発表資料へ]