米Intelと米Hewlett-Packard(HP)は,通信機器メーカー向けの標準ベース通信ソリューションを共同開発すると,米国時間6月3日に発表した。両社は,「同ソリューションにより,通信機器メーカーは新製品を開発する際のコスト削減と期間短縮が可能になり,キャリアやサービス・プロバイダはその収入源となる新サービスを迅速に立ち上げられる」としている。

 同ソリューションは,Intel社のItaniumプロセサや組み込み用Intel ArchitectureプロセサなどのLSI製品と,HP社のラック・マウント・サーバーおよび「Advanced Telecom Computing Architecture(AdvancedTCA)」仕様をベースとするソリューションで構成する。

 「これらの製品/ソリューションを使用すると,通信機器メーカーは,再利用可能で相互接続性のある柔軟なプラットフォームの上に別のプラットフォームを効率よく集約できる。ベースとなる部分は,無線/有線ネットワーク・インフラのほか,企業ネットワークのエッジ・アプリケーション用に最適化してある」(両社)

 またIntel社は同日,キャリア・クラスの通信サーバー・プラットフォーム「TIGPR2U」の出荷を開始したことも明らかにした。同製品は,動作周波数2.4GHzのIntel Xeonプロセサを2個搭載し,2Uサイズのラックに格納可能。フランスのAlcatelなどが,同プラットフォームを採用し,通信業界向けのソリューションを提供している。

 なおHP社は同日,Intel社との共同ソリューション提供に向け,通信機器メーカーおよびキャリア/サービス・プロバイダ用のラック・マウント・サーバー「HP cc3310」を2003年第3四半期に利用可能とする計画を発表した。

 同サーバーは,Network Equipment Building System(NEBS)Level 3認定を受けたプラットフォームで,動作周波数2.4GHzのIntel Xeonプロセサを2つ搭載する。OSとしてLinuxを採用し,通信会社の中央局やデータ・センターなどでの利用を想定しているという。

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[発表資料(Intel社とHP社の共同開発)]
[発表資料(Intel社のTIGPR2U)]
[発表資料(HP社のcc3310)]