米Microsoftが米国時間6月2日に,電子商取引向けサーバー・ソフトウエア「BizTalk Server 2004」のベータ版リリースを明らかにした。BizTalk Server 2004は,サーバー・ソフトウエアのバンドル戦略「Jupiter」(開発コード名)の基盤となる製品である。

 Jupiterは,ビジネス・プロセスの中央化をはじめ,インテグレーション,相互操作性,モジュラ構造の強化を主な設計テーマとしている。Jupiterの一連の技術は,今後2年間にわたって2段階で提供する。

 BizTalk Server 2004では,ビジネス・プロセスの統合,シングル・サインオン,Webサービス・サポートといった機能を提供する。顧客企業が,ニーズに合ったe-business環境を構築できるようにする。「.NET Framework」をベースに,「Office System」「Visual Studio .NET」と組み合わせ,ITプロフェッショナル,情報ワーカー,開発者などの効率化と生産性向上を支援する。

 BizTalk Server 2004の主な特徴は以下の通り。

・オーケストレーション(調和)エンジンにより,企業内や企業間の動的なビジネス・プロセスを統合し,ビジネス分析を簡素化する

・役割ベースで規則を適用するための枠組み「Business Rules Framework」。複雑化するビジネス・プロセスの設計,構築,管理を支援する

・人手による処理を中心としたワークフロー・モデルを提供する「Human Workflow Services(HWS)」。スタンドアロンとしても,大規模なプロセスの一部としても利用できる

・シングル・サインオン機能「Enterprise Single Sign-On(SSO)」。ユーザーは,単一のログイン手続きで,複数の異なるアプリケーションにアクセスできる

・Webサービスにネイティブで対応。Business Process Execution Language(BPEL)などをサポートする

 BizTalk Server 2004のベータ版はMicrosoft社WWWサイトから入手可能。最終版は今年末までにリリースする計画である。価格とライセンス体系については,明らかにしていない。

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