米Microsoftは米国時間6月2日,「Windows Storage Server 2003」が製造段階に入った(RTM:release to manufacturing)ことを明らかにした。「既存のITインフラとシームレスに統合できる,拡張性に優れたストレージ・ソリューション」(Microsoft社)という。OEM各社の製品リリースは9月を予定している。

 同ストレージ・ソフトウエアは「Windows Server System」ファミリの製品となり,OSには「Windows Server 2003」を搭載する。160Gバイトから数テラバイトまでの拡張性を提供し,「支社のファイル・サーバーからデータ・センターまで,あらゆる規模の企業が貴重なデータを保護できるようになる」(同社)。

 Windows Storage Server 2003は、Windows Server 2003が用意する高度な機能に対応するという。その一例が「Volume Shadow Copy Service(VSS)」技術を用いたデータ・コピー機能。これは,特定の時間におけるハードディスクの様子を瞬時に記録することで,アプリケーション利用中にファイルをバックアップしたり,削除・破損したデータを短時間で復元できるようにするもの。

 また,DFS(分散ファイルシステム)機能,サーバー・クラスタリング機能,マルチパス入出力機能などを備えるほか,ストレージ規格「iSCSI(Internet Small Computer System Interface)」に対応し,NASデバイスをIPベースのSANに容易に統合できるようにする。

 「企業は,IT支出の削減を余儀なくされる一方で,ストレージ容量に対する需要の伸びにも対応せねばならない。Storage Server 2003はTCOを削減しながら,信頼性と拡張性を提供できるため,そうした企業のニーズに応えることができる」(Microsoft社 Enterprise Storage部門担当副社長のCharles Stevens氏)

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