米Ximian社は,Linuxの統合デスクトップ・ソフトウェア「Ximian Desktop 2」を米国時間6月2日に発表した。新版では,完全なオフィス・アプリケーション・スイートを提供しており,使いやすさも格段に向上しているという。Windowsとのシームレスな相互運用性をていきょうするため,企業はWindowsとLinuxの混成環境において,Linuxデスクトップをコスト効率良く容易に配備可能になる。同製品は,6月5~6日に米カリフォルニア州サンタクレアで開催される「Jupiter Media Enterprise Linux Forum」にてデモが行なわれる。

 新版では,直感的なインタフェース,Microsoft社のOfficeファイルと互換性を持つ「Ximian Edition of OpenOffice.org」,Windowsの「マイ・コンピュータ」に似たワンクリックのネットワーク・ナビゲーション,プリンタの容易なセットアップ機能などを収録している。

 オープンソースの「GNOME 2.2」プロジェクトをベースとして,Ximian Desktop 2は,Windowsファイル形式,ネットワーク,標準をサポートするアプリケーション・スイートを提供する。オープンソース版のオフィス・アプリケーションを拡充した「Ximian Edition of OpenOffice.org」は,Microsoft社の「Word」,「Excel」,「Powerpoint」97/2000/XPバージョンのファイルを作成,編集,保存できる。OpenOffice.orgに,MicrosoftのOfficeファイル形式,800の新しいアイコン,GNOMEデスクトップ・テーマとフォントとの一貫性,リモートのファイル・システム上のファイルのシームレスな閲覧,保存機能などを追加している。

 また,同製品は,電子メールと個人情報管理アプリケーション「Ximian Evolution 1.4」の新版を提供している。これは,「Microsoft Exchange 2000」とその他のメッセージング・コラボレーション・サーバーにもオプションで統合できる。その他にも,MozillaをベースとしたWebブラウザ「Galeon」,Windows互換のフォントとブラウザ・プラグインを提供する。ソフトウェア管理ソリューション「Red Carpet 2.0」により,ユーザーはインターネット経由でビルトイン・ソフトウェアのアップデートができる。

 その他の主な機能は次の通り。

・ドラッグ&ドロップによるCDの作成
・ビルトインのターミナル・エミュレーション,インスタント・メッセージング,チャット,その他のアプリケーション
・「Agfa」フォント,「Adobe Acrobat Reader」,「Macromedia Flash」,「Real Player」,「Java2 Run Time」などサードパーティのコンポーネント(Ximian Desktop 2 Professional Editionのみ)

 「Ximian Desktop 2 Professional Edition」は,6月9日の週から同社のWWWストアにて発売される。価格は99ドル。同製品には,サードパーティのコンポーネントが収録され,30日間のサポート,PDFのガイド「Introducing Ximian Desktop」,「Red Carpet Express」サービスを介してLinuxソフトウエアの高速アップデートが1年間提供される。SuSE(version 8.2),Red Hat(7.3,8.0,9)といった主要Linuxディストリビューションに対応。サポートとサードパーティ・ソフトが付属しない無償版も同社サイトからダウンロードできる。

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