米Qwest Communications Internationalが米国時間5月29日に,2003年第1四半期の決算を発表した。売上高は36億3000万ドルで,前年同期の40億1000万ドルに比べ9.4%の減少。純利益は1億5000万ドル(希薄化後の1株当たり利益9セント)だった。前年同期は純損失238億8000万ドル(希薄化後の1株当たり損失14ドル32セント)。

 営業利益は1億7900万ドルで,前年同期の営業損失4700万ドルから黒字化した。

 売上高減少の理由について,Qwest社は,地域音声/無線サービスの価格競争の影響のほか,顧客宅内装置(CPE)再販/地域外顧客/長距離通信の卸売り事業に対する注力度を戦略的に弱めている点を挙げている。

 「当期も中核事業で業績改善の兆候がみられた。当社が顧客サービスの改善に集中することで,地域顧客を引き止められるだけでなく,長距離サービスなどの分野で成長の可能性が出てきた」(Qwest社会長兼CEOのRichard C. Notebaert氏)

 同社は,今後の業績見通しについても明らかにした。それによると,2003年通期の売上高は,前年に比べ約5%減少すると予測する。

 なお同社は,2000年~2002年の売上高,営業損益,純損益を見直した結果を発表した。修正後の売上高は,過去に発表した額に比べ3年間で2700万ドル小さくなるという。

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