米Hewlett-Packard(HP)が仮想マシン・ソフトウエアを手がける米VMwareとの提携関係を拡大したと,米国時間5月28日に発表した。これによりHP社は,VMware仮想マシン上のMicrosoft WindowsやLinuxなどを技術サポート対象に含め,自社ブランドのサービスとして提供していく。

 「HP ProLiant」サーバーで「VMware ESX Server」や「VMware GSX Server」を動作させると,複数の仮想マシンを生成できるので,さまざまなOSやアプリケーションを1台のサーバーに集約できる。「こうした方法をとることで,プロセサ,メモリー,帯域幅などサーバー・リソースの利用効率を高め,総所有コスト(TCO)を低減できる上,テスト/開発用環境としても利用できる」(HP社)

 HP社業界標準サーバー・ソリューションズ部門担当副社長のRon Eller氏は,「企業顧客の必要としているものは,サーバー利用効率向上,ITコスト削減,システムおよびアプリケーション管理改善によるメリットをもたらすソリューション」と説明する。「VMware社のソフトウエアを当社の管理ツール『ProLiant Essentials』と合わせて利用することで,当社の顧客は機敏さ,可能性,IT投資による収益を増やせる」(同氏)

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,HP社がProLiantサーバー用VMware社製品の提供を開始したのは2002年6月だが,当初同社のサービス部門HP Servicesは仮想マシン上で動作するWindows,Linux,NetWareについて技術サポートを提供していなかったという。したがって問題が生じると,顧客はVMware社や米Microsoft,米Red Hatなどに問い合わせていた。HP社がVMware社との提携関係を拡大し,仮想マシン上のOSもサポート対象としたことで,「この問題の解決に役立つ」(VMware社CEOのDiane Greene氏)という。HP社によると,サポート対象のOSは,VMware仮想マシン上で動作するNetWare,Windows,SuSE Linux,Red Hat Linuxである。

 ちなみにVMware社は,米IBMのGlobal Services部門と同様の契約を2002年7月に結んでいるという。

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