米AT&T社と米AT&T Wireless社は,ワイヤレスに関する再販契約を締結したことを米国時間5月27日に発表した。提携によりAT&T社は,顧客に従来の固定電話による通話サービスに,AT&T Wireless社の無線通話サービスをバンドルして提供する。契約に関する詳細は明らかにされていない。

 同通話プランは,同年夏に限定市場にて提供が予定されている。AT&Tの家庭向け長距離通話顧客は,単一のプロバイダを通じて固定電話,携帯電話が利用可能になる。同プランの無線部分のサービスは,AT&T Wirelessから同ブランド名で提供される。

 「コミュニケーションには,これまで以上に便利性と容易さが重要視されている。この通話プランでは,顧客が用途に合わせて利用する電話機を選べる。さらに,必要なサービスを利用するために複数のベンダーとやり取りする必要がなくなるため,便利でコスト効率に優れている」(AT&T社の会長兼CEOのDave Dorman氏)

 同社は,複数サービスのバンドルにより,中核となる家庭向け長距離通信事業の売り上げ縮小の補完を狙う。今回のAT&T Wireless社以外にも,他の戦略的パートナとの提携を通して,コミュニケーション,エンタテイメント,電子商取引をセットした新しい通話プランのパッケージ提供を計画している。

 同社によれば,現在,他の無線通信事業者,CATV通信事業者,Walt Disney社やソニーといったコンテンツ・プロバイダともサービスのバンドルに関わる話を進めており,DSLプロバイダであるCovad Communications Group社とは提携を通じて高速インターネットの販売促進も狙っているという。

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