米Microsoftは米国時間5月27日に,企業向けインスタント・メッセージング(IM)サーバー「Real-Time Communications Server(RTC Server)2003」(開発コード名「Greenwich」)に「Office」のブランド名を付けることを発表した。

 名称が「Office RTC Server 2003」となる同サーバーは,オフィス・スイート製品ファミリ「Office System」に加わる。

 Office RTC Server 2003は,社内全体にわたるリアルタイムの通信を可能にし,消費者向けIMサービスより強力なセキュリティと管理のしやすさを目指す。既存のオフィス・アプリケーションや企業向けアプリケーションに,“相手がオンライン状態にあるか”を確認できるプレゼンス機能とIM機能を組み込むための拡張性のあるプラットフォームを提供する。SIP(ession Initiation Protocol)やSIMPLE(SIP for Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions)といった業界標準規格を採用しているため,企業は既存の技術資産や使い慣れたツールを使って簡単に導入/管理することが可能という。また,やり取りするメッセージを記録できるので,「企業の機密や知的財産を保護し,特定業界の規制を確実に遵守できる」(Microsoft社)。

 「日常の仕事にテキスト形式のIMを利用する人が急速に増えているが,それぞれ異なる消費者向けサービスを使っているため,活用範囲が限られる。Office RTC Server 2003を『Outlook 2003』や『SharePoint Portal Server 2003』といったOffice System製品と組み合わせて導入することにより,社員は普段使用しているオフィス・アプリケーションから同僚にメッセージを送ることが可能になる。文脈に沿ったリアルタイムの協調作業が,早期解決と早期決断を実現する」(Microsoft社Real-Time Collaboration事業部門コーポレート・バイス・プレジデントのAnoop Gupta氏)

 Office RTC Server 2003は,すでにベータ版の配布を開始している。製品版リリースは,2003年第3四半期を予定している。価格とライセンス・プランについては明らかにしていない。

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