米Cisco Systemsは,パリ交通公団の通信サービス子会社であるNaxos社と共同で,パリ市内の地下鉄の駅を使った無線LANアクセス・サービスの運用試験計画「Wi-Fi eXtensible aux Operateurs de Services(WIXOS)」を実施する。Cisco社がパリで現地時間5月26日に明らかにしたもの。

 パリは世界のなかでも特に地下鉄の密度が高い都市で,市内に400の地下鉄の駅があり,各駅の間隔は平均550mしかない。Cisco社は,パリ交通公団のもう1つの通信サービス子会社,Telcite社の管理下にある総延長4万kmの光ファイバの一部にスイッチング・アーキテクチャ「Cisco Metro Ethernet」を導入し,無線ネットワークを構築する。すでにフランスBouygues Telecom,ドイツT-Onlineのフランス子会社Club Internet,スウェーデンTELE2,フランスTLC Mobile,フランスWIFI Spotといったサービス・プロバイダが計画への参加を表明している。

 WIXOSの試験ネットワークは,各駅2台ずつ,合計24台の「Cisco Aironet 1200 Series」Wi-Fi対応アクセス・ポイントで構成し,フランスCap Gemini Ernst & Young Franceの提供するデータ管理プラットフォームと接続する。各アクセス・ポイントは駅の案内板などの裏に設置し,表から見えないよう隠す。このネットワークは,各駅に1台ずつ設ける「Catalyst 2950 Series」スイッチを使ってGビットEthernetループと接続する。ただし,シャトレ駅にはネットワーク全体のハブとして,インテリジェントEthernetスイッチ「Catalyst 3550 Series」を設置する。

 パリ交通公団では,市内全域で利用可能なWi-Fiネットワーク用のインフラとしてWIXOSを利用できるとみている。「移動中の街角や地下鉄からでも,オフィスや家にいるかのように,ノート・パソコンなどを使って電子メール送受信/Web閲覧を行えるようにしたい」(パリ交通公団)

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