米Microsoftが個人向けオンライン財務サービス「CNBC on MSN Money」を拡充すると,米国時間5月23日に発表した。新しいサービスは,2003年6月20日より利用可能とする。

 Microsoft社は,同サービスのWWWサイトを完全に設計し直すとともに,新たに便利なツールや情報を提供するとしている。「MSNでは消費者に強力なツールと情報を提供し,借入金,クレジットカード,投資,銀行口座の管理をより効率よく1カ所で行えるようにする」(Microsoft社金融商品グループ製品管理担当ディレクタのChris Jolley氏)

 主な新機能,機能強化などは以下の通り。

・最新情報を常時提供できるようサイトを設計変更:主要情報源からの最新金融ニュースや重要な市場の動きを随時提供する。サイト内の各コーナーごとに「Decision Center」を設け,消費者の意思決定を支援する

・財務処理用ツールを提供:自分の生活パターンに最適なクレジットカードを選ぶための新ツール「Credit Card Analyzer」や,住宅ローンと借り換えローンの品目追加に合わせ「Mortgages and Loans」コーナーでローンを選ぶためのツールを提供する。「Banking Service」も拡充し,全米の銀行の口座を扱えるようにする。

・資金運用と市場情勢の監視用ツールを提供:投資取引を最適化し,税金をできるだけ低く抑え,確定申告で使用するSchedule Dと呼ばれる書類の作成を自動化するツール「GainsKeeper」と,株価のローソク足チャートを表示できる「Candlestick Charts」を用意する

・金融情報をモバイル配信:米Briefing.comの「Market Report」と英Reutersのニュース速報を携帯電話機などに配信する「MSN Mobile」サービスを提供するほか,「MSN Messenger」のCNBC on MSN Moneyタブを強化し,株式リストのカスタム化や会社名での検索を可能とする。

 なおMicrosoft社が引用する米Nielsen//NetRatingsの調査結果によると,2003年3月と4月における金融ニュース/情報WWWサイトの利用者数は,CNBC on MSN MoneyがYahoo! FinanceやAOL Personal Financeといった競合サービスを抑えてトップに立ったという。

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