米ZapThinkは米国時間5月22日に,ITコンサルティング・サービスの展望について調査した結果を発表した。企業でWebサービスをベースにしたサービス指向のアーキテクチャが主流になるとともに,ビジネス・プロセスの最適化を目的としてコンサルティング・サービスを導入する企業が増えるという。

 一方,現在のようなシステム統合を目的とするプロフェッショナル・サービスの導入は減少する。今後数年で,統合のみに特化したサービスへの需要は急速に低下する見通しだ。

 サービス指向のアーキテクチャは,米IBM,米HP(Hewlett-Packard),米Computer Associatesなどが押し進めるオンデマンド・コンピューティングの基礎となる。ZapThink社上級アナリストのJason Bloomberg氏は,「企業でサービス指向のアーキテクチャをベースにしたオンデマンド・コンピューティングの導入が進むにつれ,コンサルティング・サービス会社はシステム統合ではなく,アーキテクチャやサービス指向のビジネス・プロセスに注力する必要がある」と述べた。

 「Webサービスが即座にソフトウエアの統合を可能にするため,コンサルティング・サービス会社はなんらかの付加価値を提供しなければならない」(Bloomberg氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・企業におけるサービス指向のアーキテクチャ導入と普及支援に注力すれば,コンサルティング会社は今後5年間に事業機会を大幅に広げることができる。

・2006年には,サービス指向のアーキテクチャをベースにしたビジネス・プロセス向けコンサルティングが,システム統合向けコンサルティングの収入を上まわる。

・プロフェッショナル・サービス会社がシステム統合向けサービスで創出する売上高は2010年までに70%以上減少する。一方,サービス・ベースのビジネス・プロセス・コンサルティングは20倍に急増する。

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