調査会社の米Corzenは,オンライン求人広告に関する調査結果を米国時間5月21日,発表した。それによると,米国の主要新聞245紙のうち49%が,紙面ではなくWebサイトのみの求人広告を扱っているという。

 2002年第4四半期に実施した調査では,Webサイトのみの求人広告枠を販売している米国主要新聞は32%で,大都市の大手新聞が主だった。今回の調査では,より規模の小さい新聞も,Webサイトのみの求人広告を掲載するようになっている。

 新聞社はもともと,中核媒体である紙面を使わずオンラインのみで求人広告枠を販売することに乗り気ではない。広告収入が大幅に減少するためだ。しかし,60億ドル規模の求人広告市場は,景気低迷の影響で急激に落ち込んでいる。また,多数の広告発行社が積極的にオンライン事業を展開しているため,新聞社は求人広告の収入を奪われまいとして,Webサイトのみの求人広告枠を販売し始めているのだ。

 新聞社が求人広告をWebサイトのみで30日間掲載する場合,広告料は平均196ドル。これは,米国の大手求人情報サイトの広告料に匹敵する。例えば,CareerBuilderサイトは1カ月当たり200ドル,米Yahoo!のHotJobsサイトは同275ドル,Monsterサイトは60日間で305ドルだ。なお,3サイトとも,複数の広告を掲載する広告主に対しては,ディスカウントを提供している。

 「求人情報サイトなどのライバルは,競争力のある価格プランを組んでいる。しかし多くの新聞社にとって,オンラインの広告掲載料は紙面の掲載料と比べて安い」(Corzen社CEOのBruce Murray氏)

 Murray氏は,「雇用が回復するとともに,新聞社が収益の面で最終的にどれくらい影響を受けるかはっきりするだろう」と述べた。

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