米Hewlett-Packard(HP)は米国時間5月20日に,2003会計年度第2四半期(2003年2月~2003年4月期)の決算を発表した。売上高は180億ドルとなり,前期の179億ドルから1%増,前年同期の106億ドルと比べ約70%成長した。ただし前年同期の数字には,2002年5月3日に合併手続きを完了した米Compaq Computerの業績は含まない。

 GAAPベースの純利益は6億5900万ドル(希薄化後の1株当たり利益は22セント)。前期の7億2100万ドル(希薄化後の1株当たり利益は24セント)を下回った。営業利益は6億4300万ドル。営業利益率は3.6%となった。なお,当期純利益の6億5900万ドルは,前年同期の純利益,2億5200万ドルから約2.6倍となったが,この前年同期の数値にもCompaq社の業績は含まれていない。

 「合併から1年間に,構造コストを35億ドル削減できた。売上高は,さまざまな事業をバランスよく反映しており,当期は営業キャッシュフローとして25億ドルを生みだすことに成功した。当社のビジネス・モデルは堅牢で,長期的な成長と,業界リーダーとしての地位確立を目指すことができる」(HP社会長兼CEOのCarly Fiorina氏)

■2003年会計年度第2四半期の業績(前期との比較)

                                 2003年会計年度    2003年会計年度
                                    第2四半期          第1四半期

売上高                               180億ドル         179億ドル
一時的な費用を除いた営業利益率          6.4%             6.2%
GAAPベースの営業利益率                  3.6%             4.9%
GAAPベースのEPS                       22セント          24セント
一時的な費用を除いた希薄化後のEPS     29セント          29セント

出典:HP社

 地域別にみると,米大陸の売上高は前期比横ばいの81億ドル。欧州が同1%増の71億ドル,日本を除くアジア太平洋地域が同2%増の19億ドルである。日本は需要が盛り上がり,同7%増の7億9500万ドルとなった。

 事業別でみた場合,企業向けシステム事業の売上高は,前期比3%増の39億ドル。米大陸と日本市場の売上高増が貢献した。個人向けシステム事業は売上高が51億2000万ドルで,前期の51億4000万ドルからわずかに減少した。「従来の季節的パターンの影響をさほど受けずにすんだ」(Fiorina氏)。サービス事業の売上高は同2%増の30億ドル。イメージングおよびプリンティング事業の売上高は同1%減の55億ドルとなった。

 なおHP社は,2003会計年度下半期(2003年5月~10月期)の見通しについて,「売上高は364億ドル,一時的な費用を除いた1株当たり利益は62セントと,アナリスト予測と同じになる見通しである」と述べた。

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