米IBMは米国時間5月20日,WWWベースのメッセージング・システム「Lotus Workplace Messaging」を発表した。「非デスク・ワークの従業員や電子メール・アカウントを持たない従業員が簡単にメッセージをやりとりできるようにするための低コストのソリューション」(IBM社)としている。

 工場の現場スタッフ,空港スタッフ,小売店員などは,自分専用のデスクから電子メールに接続することがほとんど無く,社内勤務の従業員と比べて,やり取りする情報量が限られている。「このようなユーザーは,トレーニングがほとんど必要ない,簡易なメッセージング・システムを必要としている」(同社)という。

 モバイル従業員はLotus Workplace Messagingを利用することで,これまで印刷書類でやり取りを行っていた情報を,共有ワークステーションやキオスクから電子メールを使って送受信できるようになる。「業務の生産性や効率性を向上し,円滑なコラボレーションを促進できる」(同社)

 Lotus Workplace Messagingは,標準ベースのディレクトリや多機能メッセージング環境に統合できるため,企業は既存のITインフラを有効活用できる。「WebSphere」インターネット・インフラを基盤とし,LDAP v3といった標準にも準拠しているため,「Lotus Domino」などの標準ベースのメッセージング・インフラにも統合可能という。

 「当社が調査を行ったところ,半数近くの企業が『業務内容や勤務場所などの理由により,多数の従業員が電子メール・アクセスを持っていない』と回答した。電子メールは,生産性の向上や業務遂行に不可欠な要素となりつつある。このため企業は,全従業員に電子メール・アクセスを提供できる,コスト効率の優れたソリューションを必要としている」(IBM社 IBM Lotus Software事業Messaging Products担当副社長のKen Bisconti氏)

 Lotus Workplace Messagingの価格は,1ユーザー当たり29ドル。基本のシステム構成で3年間のライセンス契約を結んだ場合,「1ユーザー当たりの月額料金は1ドルを切る」(IBM社)

 同システムは,「WebSphere Application Server」「DB2 Universal Database」とLDAPディレクトリで構成する。「Windows 2000」と「IBM AIX」に対応する。

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