英Cambridge Display Technology(CDT)は英国時間5月19日に,発光ポリマー(LEP)に関する特許技術のライセンス供与で大日本印刷(本社:東京都新宿区)と提携を結んだことを明らかにした。

 大日本印刷は,POP広告やPOS広告といったグラフィック・アーツ分野向けディスプレイの開発と製造に,CDT社の技術を利用する。

 LEPは溶媒に解けやすい性質を持っており,スクリーン印刷,接点印刷,フレキソ印刷,グラビア印刷といった従来の印刷法に対する適応性が高い。そのため,次世代電子ペーパー向けの技術として期待されている。「大日本印刷は,革新的な印刷技術の実績を持っており,電子ペーパー分野にも注力している。今回のライセンス供与により,LEP技術はまったく新しいディスプレイ市場へと拡大するだろう。また,新たな製造技術が開発され,大型フレキシブル・ディスプレイ用LEP成膜が実現する」(CDT社CEOのDavid Fyfe氏)

 大日本印刷取締役の戸井田孝氏は,「当社は印刷技術を基盤として,ディスプレイ関連部品などの電子部品を手がけてきた。CDT社のLEP技術を利用し,ディスプレイ製造技術と情報処理技術を組み合わせ,グラフィック・アーツ分野に新たな時代を切り開く」としている。

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